HAZOP-連続プロセス系とバッチ系の違い
石油精製、石油化学、化学物質を取り扱う化学工場では安全性評価の手段としてHAZOPの活用が求められている
HAZOPというのは、ズレが事故の要因になるという考え方から生まれた安全性評価手法だ
連続プロセスと、バッチプロセスでHAZOPの違いがあるかとよく質問されることがある
私はこう答えている
連続プロセスというのは、機械が主体となりプラントを自動制御している。したがって、ズレが起こるのは機械が故障したときだ
ポンプが壊れたり、計器が壊れたり、自動制御弁が故障したりするズレが事故を引き起こす
したがって機械の故障を重点的に、ズレと捉えて解析すれば、事故を未然に防げる
ところが、バッチプロセスを見て見ると、人が介在する部分が連続系と比べて格段に増える。手動操作が加わるからだ
ということは、バッチ系では機械の故障もさることながら、人のズレも考慮に入れて解析しないと事故を未然に防げ無いことになる
人のズレはこんな形で現れる
例えばNOだ。弁の操作を「忘れる」。LESSなら、弁の操作が「不十分」。MOREなら、弁を「開けすぎる」。REVERSEなら、弁を「逆」に開けたと言うことになる
otherであれば、「余計なこと」をしただ。
更に、人のHAZOPのガイドワードには、時間的な要素を追加する必要がある
例えば、操作するタイミングが、「速すぎた」、又は「遅すぎた」などだ。
所定の時間より、操作時間が短かかった、又は長すぎたなどだ。時間的要素も考慮する必要がある
つまり、バッチ系では、人という切り口で、ズレを追加して考える必要がある
連続系とバッチ系の違いは、人という要素を考えるか考えないかだ