仕切り板を内蔵した弁もある

仕切り板を挿入することは、確実に縁切りができるというメリットがある
一方で、仕切り板を挿入する作業でミスが起こってしまえばやはり、漏洩、火災、爆発や薬傷などの事故になる
大口径の仕切り板を入れるとなると作業そのものも大変な作業になる。仕切り板も重量物となるからだ
場合によっては、足場や作業台の準備も必要になる。コストも馬鹿にならない
小口径配管なら、仕切り板を入れる場所を間違えたと言う事故事例もある
仕切り板を抜くとき、縁切りしていた自動弁が突然開き事故になった事例もある
茨城県の鹿島コンビナートで起こった事故がある。空気で動く自動弁の、下流側に挿入していた仕切り板を抜くときに起きた事故だ
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/pdf/saigai_houkoku_2016_10-2.pdf
空気式自動弁の、空気の元弁を閉めていなかったのだ。その為、仕切り板を抜くとき操作SWに触れ自動弁が突然開いてしまったのだ
大量の熱油が噴き出し、周りにいた作業員4名が死亡した事故だ。その後の安全対策として、仕切り板を内蔵したエスペロ弁という弁を採用したという
通常は普通の弁としての開の状態で使える。弁のハンドルを動かしていくと、内蔵された仕切り板が動いて、弁の中に仕切り板が入り込んで弁が閉まる構造だ
詳細は、メーカーのホームページを見て欲しい
http://www.insins.co.jp/wp/wp-content/uploads/2017/08/esperovalve.pdf
とはいえ、メーカにより微妙に構造も違う
過去にインドで、同じような仕切り板を内蔵した弁が半開状態になったときに液が漏れて火災になつた事故もある
http://tank-accident.blogspot.com/search?q=jaipur
この弁は構造上、半開状態で使うと、液が漏れ出す構造になっていたのだ
構造原理をしっかり理解してこの種の弁は利用して欲しい

 

2021年11月03日