ライニング機器の事故-テフロンライニングのガス浸透
化学工場では、ゴムライニング、テフロンライニング、グラスライニングなどが使われている
耐食性機器の内張などに使われる。ライニング機器を使うに当たってライニング材の選定を間違うと事故になる
テフロンで内張ライニングをしたマグネット式ポンプから塩酸が漏れた事例を紹介する
使用を開始してから、3年目でテフロン膜を塩素ガスが浸透した結果鉄製本体部に穴が開き塩酸が漏れたという事故だ
購入後2年目の検査で異常は見つかっていなかったという
理由はこうだ。塩酸を流すポンプだが、塩素ガス分を含んだ流体だった。
テフロンは、液体は通さないが気体は、テフロンに空いた微細な穴を通って浸透していくという性質がある
ガス分を含むと言うことに配慮せず、テフロンライニングを選定したことがトラブルにつながったのだ
私も、過去に塩酸系のプロセスでテフロン製保護管内に納められた温度計シースが腐食しているのを見たことがある
まだ20代か30代の頃で、当時は原因がなぜかはわからなく単に温度計のシースを交換したことを覚えている
理由がわかったのは、それから20年後にこのテフロンライニングポンプのトラブル事例を知ったときだ
テフロンには微細な穴が開いていて、液は通さないがガス分は浸透することがあると思って欲しい
ライニング材質の選定に当たっては、ガス浸透を考慮に入れて欲しい