自動制御のおかげで化学プラントは運転できる
現代は巨大なコンビナートも、運転操作している人は実に少ない
何十万m2の広大な敷地を誇る化学工場でも、夜間運転に携わるひとは工場全体でも数百人もいない
私が化学工場に勤めていた頃の現役時代は工場にまだまだ沢山人がいた
今から半世紀前の1970年代だ
1970年代には電気式の調節計で化学工場が自動化されて運転されていたがまだ2倍近く人がいた気がする
日本ではじめてコンビナートができたのは、1958年だ。山口県の岩国と愛媛県の新居浜というところでコンビナートが動き始めた
その頃は、今の何倍もの人が化学工場にいた なぜなら、完全自動制御ではないからだ
当時の制御方式は空気式だ。しかし、フィードバック制御はもうこの時代には確立されていた
しかし、空気というのは、電気信号と違い計器信号を遠くへは伝送できない
したがって、計器室に全て情報が集まるわけではない 現場型の空気式調節計で運転されていたものも沢山あった
この為、絶えず、現場に出向き温度や圧力がうまく制御されているか確認しなければいけない作業が沢山あった
つまり監視には多くの人が必要だった 現場もそれほど自動化されず人による操作も多かった
いまでこそ、自動制御というのは当たり前だが、たかだか約半世紀前はまだ人海戦術だ
つまり、人が少しうっかりするとトラブルが起こり事故につながる。そんな世界があたり前だった
ところが、1960年代に入るとあっというまに状況は変わった トランジスターを使った自動調節計が使われるようになったからだ
1968年に確か当時の徳山にあった製油所で、電子式パネル調節計が使われるようになった
計器室で居ながらにして指示も見れるし、調節もできるようになったのだ
電気で動き、しかも現場に出向くことなく計器室で自動制御できる装置が世の中に出始めたのだ
電気式自動調節計だ
自動調節というのは、すごい世界だ 人間の仕事を画期的に減らしてくれた言ってもいいのだろう
これからも計装や制御機器は進化を続けていくのだろう
写真引用 DEYAMAさんホームページより http://deyama.a.la9.jp/