日本の化学産業約100年- 2010年代-東北大震災を契機に製油所や化学工場などで事故が続く
2010年(平成22年)代が始まった、2011年3月に東北大震災が発生した
千葉県で、石油会社の球形タンクが地震により柱が折れ火災爆発となる大災害が発生した
それから約半年後、今度は山口県で蒸留塔の原料トラブルが発生した際、運転操作に失敗し爆発事故が発生する
現場で対応していた、係長が命を落とした
さらに、約半年後に同じ山口県の企業で、工場の蒸気が一斉に停止するトラブルが発生した
停止インターロックを作動させプラントを停めている途中でインターロックを解除したことにより化学プラントが爆発事故を起こした
22才の若い運転員が現場で死亡した
さらに約半年後、今度は兵庫県にある化学プラントが能力向上テスト中タンクの循環冷却操作を忘れ爆発事故を起こした
わずか2年の間に立て続けに大きな事故が4件起こったのである
しかも、最初の事故を除く他の3件は人が巻き込まれて死亡事故にもなってしまった災害だ。
http://www.khk-syoubou.or.jp/pdf/paper/r_15/15rijityou2.pdf
これらの事故を見ると、「地震」発生時、原料や用役トラブル発生時の「緊急停止時」、「試運転時」などいわゆる「非定常時」に起きている事故だ
通常運転時の安全対応は、企業は進めてきているもの、まだまだ非定常時の対応は十分とは言えないことかも知れない
2016年に労働安全衛生法が改正され 危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)を義務付けた
2017年に、高圧ガススーパー認定制度が始まった。通常認定では4年だが、8年の連続運転可能となり、保安検査の方法も自ら設定可能になった
認定要件には、高度なリスクアセスメントの実施や先進技術の活用が求められている。更に、高度な教育訓練や第3者知見活用などがあげられている2010年代は、リスクアセスメントやIOTなどの先進技術の活用が求められる時代となってきた
度重なる重大事故を受け、「人材育成・技術伝承」が不十分ということがたびたび言われている
物づくりは、人づくりからともいわれるからだ。
安全への投資には、設備だけではなく「人」への投資も怠るなと言うことなのだろう
企業はこつこつと、人を育てる努力を惜しまないことが100年の教訓なのかもしれない
時代は、2020年代へと移っていく