振動を甘く見るな--長期間の振動でいつか事故になる

化学工場では、振動を甘く見るなと言う教訓がある。振動というのは、時間をかけて金属製の部分を破壊していくからだ
溶接部などは、長期間の振動でひびが入ることがある。亀裂が入れば、漏洩火災事故にもなる配管にはサポート(支持)が取り付けられている
大きな配管であればその重量を支えるためにサポートを取る。1/2Bや3/4Bの小さな配管であってもサポートは必要だ
例えば、振動のあるケースだ。ポンプのエアー抜きやドレン弁などだ。なぜかと言えば、ポンプはモーターなどで回転している
わずかではあるが回転により、弁も微妙に振動する
ポンプ本体とエアー抜き弁などの接続は、小口径配管と呼ばれる細い配管はネジの場合が多い
ネジは強度的に弱い 振動が続けば折れることもある。つまりサポートを取らない弁で、ネジ接続の場合はいつかネジ部が折れることもあると言うことだ
実際にそんな事故は何度も起きている。エアー抜き弁の根元が折れればポンプ内の液が漏れ出す
可燃性のものであれば火災になると言うことだ。こんな事故が報告されている
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200032.html
http://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00023_s.pdf
http://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00023.pdf
たかがサポートと思わないで欲しい エアー抜き弁だけではなく、ドレン弁の振動で配管折損事故も多い
ポンプや圧縮機などは目には見えなくても機械は微妙に振動している
振動が繰り返せば一番弱いところが壊れる
たいていはネジで接続した部分だ ネジは折れやすいからだ。溶接部も振動で破損する
20年から30年経過してネジ部や溶接部が破損することも多い
本管から枝出ししたベント配管などは、サポートを取っていなければ微妙に振動している
過去の事故報告書でも、取りだし部から長さ30cm以上あってサポートが無いものは総点検したという報告もある
一度自分のプラントを「配管サポート」という切り口で点検して欲しい

 

2022年03月01日