研究部門の安全管理体制に問題は無いか
研究所や実験施設など研究部門の安全管理で気になることがある
企業は製造もあれば研究部門もある。安全に関して製造レベルで研究を見ているかというとそうでは無い
取り扱う量が少ないから安全と思っているからだ。そうは言ってもかなり危ない物質も取り扱っている
最近の例などだと、リチウムバッテリーの開発で失火事故などもそうだ
化学系の企業は、近年研究部門を増やしている。付加価値の高いものへシフトしているからだろう
製品の差別化を図るには当然研究に力を入れる必要があるからだ
ならば、研究部門の安全管理をきちんと整備しているかというとどうもそうでは無いような気がする
研究部門の事故でもよほど大きな事故では無ければ新聞沙汰にはならない
研究はまだまだ安全と考えてしまう所以だ
研究というのは、非定常作業だ。毎日同じことをやるわけでも無い。しかも、個室で一人でやる作業も多い
思い込みなどヒューマンエラーリスクはものすごくある
管理者も、研究テーマもいろいろあれば全てに目を配れない どんどん専門性が増しているからだ
管理者といえども、安全のスペシャリストでは無いはずだ。
企業が管理者に安全の教育を体系的にしているかというとそうでも無いような気がする
この背景には、まず多くの企業で研究所の専属安全スタッフが配置されていないことが要因だ
総務や人事の業務の片手間に安全を見ているという企業も多い
製造工場には安全スタッフは必要だが、研究所は安全スタッフは不要と考えている経営トップが多いからだ
研究所こそ,未知なる分野に挑戦することも多いのだから有能な安全スタッフがいなければいけないのにそこは充足していないのが現状だろう
安全の専任者がいなければ、教育用の資料も当然充実していかないはずだ
管理職が研究の合間に作成できる教育資料などはたかが知れている
研究所では、工場規模の爆発には至らないかも知れないが、可燃物の爆発は指や腕を吹き飛ばすほどのエネルギーはある
研究部門での爆発や火災を甘く見ないで欲しい 労働災害もしかりだ
工場だけではなく研究部門への安全管理体制も充足して欲しい