弁の分解点検時起こる事故-液だまり
弁を分解点検する作業は沢山ある
弁を取り外してくるときに注意しなくてはいけないのは液だまりだ
危険な流体が流れていれば、外す前に洗浄することが必要だ
見える範囲の内部はきれいに洗浄できても、弁によっては、構造上液だまりという部分がある
例えばボール弁だ。ボール弁は外すときに半開状態で取り外すのが一般的だ
半開だと液だまりができないからだ
ところが、この液だまりという現象を知らない人は、全開状態で外してしまう
そうするとポケット部ができてしまってそのすき間に液が入り込んでしまっているのだ
それでも、弁を外したときに分解する前に弁を半開にしてポケット部の洗浄をしてくれればいい
でもたいていは、この液だまりを残したまま分解点検などのため修理場に持ち込むことがある
修理の作業員も、この液だまりという現象を知り尽くしているベテランならいいが若手は知らないことがある
弁を分解点検し始めたときにいきなり液が流れ出てきてあわてるのだ
可燃物の液なら、着火源があれば火がつくことになる。冬場、作業場にストーブなどが燃えていて火がつく事例は多い
硫酸や塩酸などの薬品なら、薬傷を起こす
ガスなら火がつくこともある。
有毒なガスは中毒を起こす
夏場の点検時などでは、屋外に液だまりのあるボール弁などを放置しておくと液だまり部で液封が起こってることもある
屋内に弁を入れて作業を始めようと弁を少し動かしたときに液が急に液封部から飛び出してくる
弁の構造を教育するときは、この液だまりが起こるポケット部について必ず触れて欲しい
ボール弁のカットモデルなどを使うとわかり易い
できれば、目の前で液だまりを体験させて欲しい