脱液作業で起こる着火事故のパターン--静電気や流速過大

脱液作業というのは、液をバケツなどに抜き出す作業だ。可燃性の液であれば、着火することがある
この脱液は、作業頻度も多い。特別な技量も必要としない、簡単な作業とみられている
結果として、脱液時の着火事故は実に多い
燃えるものが存在して、周りに空気があり、何らかの着火源があれば燃焼の3要素が成り立つからだ
脱液時の留意点は、しつこいくらいに教育しなければいけないのだが、脱液は簡単な作業だからと甘く見られている
着火事故のパターンで多いのが、アースを取らなかっただ。静電気で火がつくこともあるのに、アースを怠ったケースだ
流速も事故の原因だ。速く作業を済まそうと、バルブを大きく開けて液を抜き出すことをすれば大量の静電気が発生する
あっという間に火がつくことになる
流速は1m/s程度でちょろちょろと流すのが基本だ。配管の太さと流出液の太さが同じか、少し細めに液を出すが目安だろう
ドレン弁を開けすぎて、出口から液が霧状にほとばしる状態であれば、大量の静電気が発生している
あっという間に火がつくのは当たり前だ
もう一つの事故のパターンは、バケツの仕様だ
プラスチック製のバケツは、静電気を逃がすことができないから使ってはいけないのに使うケースで事故が起きる
理由を聞いてみると、近くに金属製のバケツがなかったからという単純な原因がほとんどだ
可燃物を取り扱う工場では、プラスチックのバケツを置かないことだ。ちょっとだけなら良いだろうというのが着火事故につながっている
金属製のバケツを使っていても、着火事故が起こることがある
バケツの取っ手が、プラスチックのタイプだ
取っ手をどこかに引っかけて、アースは取らなかったというパターンだ
プラスチックの取っ手がついた、バケツの着火事例も多い
脱液時の着火防止教育はしつこいくらいに、イラストなどを上手に使って教育して欲しい

 

2022年03月23日