停電というトラブルに対してリスクアセスメントの難しさ
停電は事故の引き金になることがある リスクアセスメントで重要なキーワードだ
停電が起これば、色々なことが起こる それが引き金になり、トラブルの連鎖が続く
それに対応できなければ、事故という形になる
では、停電という言葉を考えたとき、停電の持つ意味は多様だ
停電といっても、全停電もある。部分停電もある。停電の発生する範囲の違いにより、リスク想定は大きく変わる
停電形態もいろいろある。非常に時間的に短い瞬時停電もある。数秒の停電もある。数時間の長期停電もある
このように、どんな事態を想定するかも必要だ
停電時間が短いから安全というわけでは無い。瞬時の停電でも、コンピュ-ターには影響を与える。制御が停まってしまうこともある
化学プラントで制御が停まることは致命傷だ。瞬時停電でも問題が起こらないように、バックアップ電源を設置しておく必要がある
バッテリーバックアップは、コンピュータに不可欠だ。
停電も、全停電なら安全に停まるケースもあるが、部分停電だと想定外のところが動いていて対応に失敗する事例もある
例えば、部分停電で反応系の所は動いていたが、反応系の冷却ポンプは停電して動かなかった事例だ
反応装置は動いていたが、冷やせなかったケースだ。やはり、部分停電は想定が難しく怖いケースだ
こんな事故事例がある。停電で引き起こされた事故だ。
名古屋の製鉄所で、停電が原因で何回もトラブルを起こした事故だ
https://www.nipponsteel.com/common/secure/news/20141125_200_01.pdf
https://www.nipponsteel.com/common/secure/news/20141125_200_02.pdf
https://www.nipponsteel.com/common/secure/news/20141125_200_03.pdf
この停電事故の連鎖を一度報告書を通して読んでみてみてほしい
事故の深層には、設備の全体を把握できる技術者が企業にいなくなってきていると書かれている
つまり、設備というものはどこかを改造すれば、どこかに影響が出る。
どこにどのような影響が出るかを見抜けなければ、このような停電事故になるということだ
電気という設備は色々な電源系統が関与している。それら全体を理解してリスクアセスをしなければいけないのだ
更に、最近は企業にいる電気の技術者が極端に減ってきている
化学工場もしかりだ 電気トラブルが起きたらどのようになるのか、一度話し合ってみて欲しい