タンクの爆発事故- 不燃物という文字にだまされるな

タンクの爆発事故を今日は紹介してみたい。爆発で4人の人が亡くなっている
2009/12/24日に、大阪で起こった事故だ。無機系の化学会社で起こった事故だ。
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タンク内のゴミを掻き出すために、側板をカッターで切断しているときに爆発が起こった事故だ。
タンク内を洗浄する為に安易に水を入れたことがきっかけだ。
このタンクは三フッ化ホウ素といって不燃性の物質を取り扱うタンクだ。
誰でも不燃性という言葉があれば危険物では無いと思い込んでしまう。
ところが、タンクの内壁には生産時に出た副生物が付着していた。スラッジだ。この中には、酸性の物質が存在した。
タンクの材質は、鉄であった。水を入れれば、酸と反応して水素が反応する。
世の中ではわかりきった物理化学現象だがそこの従業員は誰も気づいていなかった。
不燃物のプロセスだからと思い込み、作業前にタンク内の可燃性ガス検知は行わなかった。
タンク内には、酸と水とが反応して大量の水素ができているのに気づかなかったのだ。
そこへ、側板をいきなりカッターで切り始めたのだから火花で突然爆発が起こった。
この事故の教訓は何かと言えば、生産しているものが「不燃物」というキーワードだ。
製品が不燃物であったとしても、中間生成物や副生物が全て不燃物とは限らない。もしかしたら、製造過程の一部では可燃物も存在する。
製品が不燃物だからという思い込みで起こっている事故は多い。火気を使う工事を行う前には、ガス検知は絶対行って欲しい。
製品が不燃物であろうとガス検知は事故を防ぐ最低限の作業項目だ。事前のガス検知を行っていさえすれば死ななくていい事故は多いからだ。
火を使う工事や、カッターなどで火の粉が出るならガス検知はしつこいくらいに行って欲しい
金属と酸性物質が存在すれば、水素などの可燃性ガスが発生する恐れがかならずある
工場は金属だらけだ。しかも酸性物質も存在する。水素の発生も甘く見ないで欲しい

 

2022年05月02日