コンビナート事故件数や消防統計--時代により積算根拠は変わる
私が会社に入った頃は、月に何回か工場内で自衛消防車が出動していた記憶がある。一週間に小火が何回というのが今でも記憶にある
火災という定義も今とは違う
小火は火災に入らない。消火器で消せれば、火災としてカウントはしない。当時はそういう解釈だった気がする
企業内の自衛消防隊で消火すれば、消防に通報する必要も無かった。つまり、火災統計には入らない
つまり、今から半世紀前の消防統計は、今の火災という定義と違うから一律に件数の比較は今の火災件数と比較できない
私は、千葉のコンビナートに今から半世紀前に勤めていた。ちょっとした現場の小火は多かった
何で、昔は小火が多かったかというと、それほど多くのガス検知器が製造現場に配置されていなかったからだ
ガス検知器も当時は高価だったので、十分な台数は配置されていなかった
火気工事をするなら、本来事前にガス検をすべきなのに台数もすくなかったので、状況判断で安易にガス検知を行っていなかった
サンダーやドリルによる工事であれば、それほどリスクはないとガス検知器などしていなかった
ところが、かなりの場所で残液や残ガスが残っていてやはり小火が起こっていた
直接火を使わなくても回転部の摩擦熱で、簡単に発火点を超えるからだ
確か1975年という年に、石防法という法律ができた
この法律で、コンビナートで起こる火災や爆発は届け出なくてはならないと定義された
つまり、それ以前は法律で届け出る基準はあまり明確にされていなかったのだ
つまり、企業内での管理が主体だ
統計というのは、データー採取基準が変わればズレが生じる
昔の災害データーと比較するときには、統計を取り始めた時の基本的な考え方をしっかりと調べて欲しい
時代時代により統計のデーター採取基準は変わるからだ