化学物質の局部加熱で起こる事故--ドラム缶などの容器加熱を甘く見るな

局部加熱という言葉を知っているだろうか。部分的に温度が上がってしまう現象だ
化学物質は、ゆっくりと撹拌しながら均等に温度を上げていかないと事故になることが多い
部分的に温度が高くなると、そこで局部的に反応などが進んでしまうからだ
良く起こる事故では、ドラム缶を暖めるときに電気式のバンドヒーターを使う事例だ
ドラム缶の外側に電気ヒーターを巻き付けて暖める方法だ
温度計はドラム缶上部のキャップを外して入れる方式だから、実際の温度と温度計の示す温度はかなりの誤差が出る
しかも、温度というのはかなりの時間遅れがある。温度計の指示が上がってくるまでには時間がかかる
バンドヒーターを巻き付けた部分は既にかなりの高温になっているのに、温度計の指示はそれほど高くない
それで、まだ温度は上がっていないと勘違いしてしまうのだ
結果として、温度が上がりすぎて反応が始まり火災や破裂するなどの事故事例が沢山ある
こんな事故事例があるので紹介しておく
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000021.html
蒸気で加熱する時でも局部加熱は避ける必要がある
ドラム缶に固まったものを蒸気で溶かしていて事故になった事例を紹介しておく
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=100388
局部加熱で事故が起こることも教育して欲しい
加熱はゆっくりとしかも均等にが原則だ
化学工場でも研究所でも起こる事故のパターンだ
ドラム缶などの容器加熱を甘く見るな

 

2022年05月08日