ロータリーバルブによる挟まれ巻き込まれ事故--労働災害
労働災害の中で重篤な災害の1つに、ロータリーバルブの巻き込まれと言うのがある
指や手を巻き込まれるのだ。場合によっては指などの切断事故になる
粉や粒状物質という粉粒体を取り扱っているとロータリーバルブという機械装置を使うことがある
この機械は粉粒体を移送するにはいい機械だが時々中で詰まることがある
この詰まったときに良く事故が起こる。詰まれば誰でも内部を点検したくなる
点検するなら機械を停めろが基本だが、これを知らない人は沢山いる。新入社員や経験の浅い人は教育されていないからだ
点検すると言っても単に状況を見るだけならば事故にはならない
人間というのは、必ず手を出そうとする。手を出せば、また正常に回り出すだろうと思い込むのだ
内部で何か引っかかったり、詰まったりしているからそれを取り除けばいいだろうと考えるのだ
機械が動いているケースでは、指を中に入れすぎて巻き込まれる。機械が止まっていても、誰かが動かしてしまうこともある
手を入れてしばらくして機械が動き始めるケースだ
すぐに手や指を引っ込めようとするのだが機械の動きの方が早いので巻き込まれてしまう
指先を切り落とすこともある。指そのものが切断されることもある。奥まで手を入れていれば,手まで巻き込まれる
私も化学企業で約40年間働いたが、災害事例で何度も聞いた。入社当時は、工場で数ヶ月おきにこの災害が起こっていた記憶がある
挟まれ巻き込まれないためには、LTTという安全対策がある
最初にやるべきことは機械が動かないようにすることだ 電気で動くなら,電気のSWを切るのだ。LOCKするのだ
次に、SWの所に表示をするのだ。つまり,目立つような札(Tag)を取り付けるのだ 触るなとか点検中だとかの札だ
最後は、本当に動かないか確かめるのだ。つまり、動かないことを自ら確かめるのだ これを,英語でTRY(試みる)という
この英語のLOCK、TAG、TRYの頭文字3文字を取ってLTTの安全対策という
言い方を変えると、安全には3つくらいの安全対策を同時に取っておかないと事故は防げ無いということだ
ところが、このLTTという概念はあまり日本では積極的に導入されていない。だから、この手の労働災害が頻繁に起こる
機械装置を使うなら,徹底的に挟まれ巻き込まれ対策を取って欲しい