検査データー改ざんや検査の未実施、見逃し問題--検査管理部門の重要性
検査に関する不祥事が続いている
この問題は根が深い。単純に検査部門だけが悪いでは済まされない問題だ
根っこの一つに人が減ったと言う問題がある 経営という大きな問題も関与している
1990年代にバブルがはじけて、徹底的に削られたのが管理検査部門ではないだろうか
管理検査部門は、トラブルがなくて当たり前だ。何もトラブルがなければ、安易に人を減らせる部門だと経営側には考えられてしまう
結果として、人減らしが行われてきて、その後、不祥事が顕在化したのだと考えるべきだ
バブルがはじけた1990年の検査管理部門の人数と、現在の人数を比較して欲しい。半分にも満たない人数しかいないのが現状ではないだろうか
コンビナートにある化学プラントは、法律により行政機関の検査を受ける
ところが、1980年代後半から、認定を受ければ、企業自らが検査を実施できる体制に変わり始めた
海外とのグロ-バル競争が始まった時代だ。少しでも企業側にメリットが出るようにと、国が雲焼死始めた制度だ
高圧ガス認定制度の開始だ。検査も一部は企業が自ら実施できること、検査周期も1年毎にから、数年へと延長することができるようになった
当然、企業もしっかりと検査体制を整えなければいけないのに、今までの延長線で検査や法申請を行っていた
結果として、法申請漏れや、検査の未実施が多くの企業で見つかり大問題となった
ちょうど2000年代に入った頃だ。次から次へと、企業が高圧ガスの認定が取り消される事態が起こった
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento079_29_sanko-4.pdf
高圧ガスの認定事業所の体制基準などの見直しが行われた
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/46/1/46_30/_pdf/-char/ja
2017年末にも、自動車会社の検査資格を持たない検査員による最終検査問題。金属業界での検査データー問題があった
2018年には、新幹線の台車製作時の強度不足問題など問題が続いている。報道はされるものの、時間が経つにつれ忘れ去られていく。
報道も、現場に問題があるような表現でなされている
確かに、問題の原点は現場であるが、なぜ検査部門でそれを防げ無かったかについては深掘りされることはない
JR台車問題については、検査の話はほぼ素通りだ。現場の監督の資質が低かったと決めつけている
現場には、削るなと表示がされているのに現場は削っていたから問題だと報道されているが、削るなと現場に掲示した人達は一体何を管理していたのだろうか
https://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-inci/keika180628.pdf
事故が起こるのは、危険源が職場に存在するからだ。しかし、それを管理する組織は、企業には存在すはずだ。いわゆる検査管理部門だ
ところが、この検査管理部門がしっかり検査していない。おまけに、昔からの問題も抱え引きずっているからだ
検査部門があれば問題は起きないかというとそうでは無い。検査部門とて問題は起こす。それを、どうガバナンスするかだ
最近もある製油所で高圧ガス認定が取り消されている
検査部門のガバナンスについてしっかり見れる企業が生き残っていくはずだ
検査管理部門の役割を甘く見ないで欲しい