予備機があれば大丈夫か --HAZOP冗長化
HAZOPで設備を検討すると、信頼性を上げる手段として機器の予備機を持つことが対応策として提言される
確かに、予備のポンプや圧縮機を持てば片方の機器が故障してもトラブルを乗り越えられる確率は高い
ところが、問題はトラブルが起きたときすんなり予備機に切り替えられるかだ
切り替え操作というのは、訓練していなければ間違うこともある
頭ではわかっていてもいざというとき確実に切り替えられるという保障は無い
ヒューマンエラーを考慮しておく必要があるということだ
HAZOPで検討する際には、うまく切り替えられなかったときでも安全が担保するのかを考えて欲しい
うまく切り替えられなかった時には、どんな悪いシナリオになるのかだ
時間的な要素も見て欲しい。切り替えに失敗して数分で事故になるなら、インターロックや機械的な安全対策が必要だ
例えば圧力上昇につながるなら、安全弁は不可欠だ。安全弁があればなんとか対応できる。それがなければ、破裂するかも知れない
温度上昇なら、どう対応するかだ
予備機があるから安全だと考えないで欲しい。切り替えにうまくいかなかったときのトラブルを想定して、それに対する安全策も深掘りして欲しい
こんな事故事例がある
圧縮機の切り替えに失敗して、反応暴走が起きた事故だ
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000112.html
次に予備機の管理がどうなっているのかを見て欲しい
予備機は管理が甘くこともある。予備機だからと管理をおろそかにするケースだ
結果として、予備機故に事故になる事例は沢山ある
もともと、振動値が高く、しょうが無く予備機扱いにしていた事例を紹介しておく
https://www.khk.or.jp/Portals/0/khk/hpg/accident/konbi_soku/2017-083.pdf
色々対策は打ったものの振動値が高くやむを得ず予備機にしていたケースだ
あるとき、運転トラブルで予備機に切り替えたもののやはり振動が多く、しばらくして油が漏れたなどの事故事例も多い
予備機とて、正機器並みの管理が必要だ。予備機だからと甘く見ないで欲しい。管理の基準は同じにしなければ、いつか事故は起こる
予備機で起こるリスクを見落とさないで欲しい
予備機だからと甘く見ないことだ