高圧ガス認定制度の変遷と2022年の法改正

高圧ガス認定制度というのがある 安全に関して安全文化や技術基盤がしっかりしている企業にインセンティブを与えようという制度だ
この制度は、海外との競争により日本の経済力が落ち始めた頃に運用が始まった
高圧ガス取締法のもと、長期連続運転が可能になったのは1987年からだ 今から35年前のことだ
従来1年毎に定期検査が必要だったのが、2年に延長された
そうは言っても、それに値する技術や管理体制のある企業に限られた。 これを、高圧ガス認定制度という
その後、約10年が経過した1997年に高圧ガス取締法が高圧ガス保安法と名称が変わる
1990年代は、バブルがはじけ経済は落ち込み、グロ-バル化が進んでいた時代だ
国が企業を取り締まるという体制から、企業自らが自主的な保安をおこうなうという世の中に変わった
がんじがらめの規制では、国際競争力を維持していくことが難しくなってきたという背景もある
確か1999年だったと思うが、2年から4年の長期連続運転が出来ることが可能になった。
2003~2007年頃認定取り消しを受けた企業が続発した。高圧ガス認定事業所で検査を未実施などの不祥事が多発し、2005年に認定要件が見直されている
4年連続運転が可能になって約20年経った、2017年から高圧ガスのスーパー認定制度というものが運用し始めた
最新の技術や高度な人材を育成して安全・安定運転が出来る能力を持った企業を認定する制度だ
この認定を受けることにより企業は最長8年という長期連続運転が可能というメリットを得ることが出来る
長期連続運転が可能になると言うことは、修繕費が大幅に削減でき企業にとって大きなメリットが発生する。
検査についても独自のものが可能となればコスト面でも有益となる。許可を得る範囲が減ると言うことは申請に費やす時間が減り人的コストが節約となる
そうは言っても、この制度を利用するには企業としていわゆる「高度な保安技術」を持っていることを証明しなければならない。企業はソフト、ハードの両面で国の要求条件を満たす必要がある。企業規模が大きくないと、かなりハードルがある制度だ。
2022年の通常国会で高圧ガス保安法が改正案が承認された。この認定制度も、世の中のニーズに対応して少し変わってくる
https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220304004/20220304004.html
法改正前に経済産業省にコンサルタント会社からこのような石油や化学企業の事故や取り巻く課題を解析したレポートが出ている
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H30FY/000284.pdf
実に参考になる情報だ。一度目を通す価値はある

 

2022年07月07日