吸着熱による事故事例その2

吸着熱の事故を紹介しておく
反応器などの反応熱による事故は関心があるかもしれないが、吸着熱による事故を知らない人は多い。
発熱という物は全て事故につながっていくと考えておくことだ。重合熱、酸化熱、中和熱など発熱にはいろいろある。
しかし、この吸着熱という物は案外事故の原因と知っている人は少ないのが現状だ。
しかし、繰り返し起こっている事故のパターンだ。
1976年3月9日姫路の企業で臭いのある物質を貯蔵するタンクで爆発事故が起きている。
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200109.html
臭いを取り去るため吸着性物質を使っていたところ、吸着熱が発火点を超えタンクが爆発した事故だ。
400度を超える温度まで、吸着熱で温度が上がっていたという。
1992年9月19日に千葉県茂原市にある工場で同様な事故が起きている。
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000089.html
廃液タンクで臭いを除去するため吸着性物質を使っていたときに起きた事故だ。この時の温度は500度を超えていたという。
同じ企業でその後同じように、また吸着剤による発火事故が起きている。
吸着剤による、発火事故は案外世の中では知られていないが、10~15年毎に爆発などの事故が起きているのは事実だ。
400度から500度くらいに温度が上がるのだから、たいていの物質の発火点を超えている。
2003年9月にも触媒抜き出し中に空気中の水分の吸着により発火事故が起きている
http://www.pref.kanagawa.jp/documents/15002/422124.pdf
触媒への水分吸着にも関心を持って欲しい
知らないと言うことほど恐ろしいものはない。

 

2022年08月04日