計装設備が原因の事故
会社に入った時最初に配属されたのは「計装」という部署だ。
計装という業務は化学工場にある製造部門と直結する。温度や圧力など化学プラントの重要なパラメーターを管理するセンサーや制御を取り扱う部門だ。
今から50年くらい前のことだ。入社当時はDCSなどは無くアナログ計器だった。
空気式と電気式が混在していた。頻繁に計器も壊れるので、部品交換のたびに構造原理も自然と身に付いた。
プラントにもメンテナンスで出入りするので、化学プロセスに関する知識も自然と身に付いた。
おかげで石油化学工場にあるあらゆる製造部門を知ることもできた。
用役プラントや出荷設備なども担当させてもらった。このことが、今安全情報を発信する時に大いに役立っている。
最近は計装設備も壊れることが無くなり若い計装エンジニアーがトラブルを体験できないという。
プラントも建設する機会は無いからなおさらだ。
そんな背景もあり、2017年の1月から雑誌「計装」という月刊誌で計装設備のトラブルをシリーズ物で1年間執筆したことがある。
https://www.ice-keiso.co.jp/instrumentation.html
流量計、液面計、圧力計、温度計、分析計、調節弁類とトラブル事例を書いて紹介した。
過去も現在も化学プラントの事故事例を調べていくと計装計器が引き金になっているものも多い。
オリフィス流量計が関連した重大事故を紹介しておく
オリフィス板の下流側で起きたエロージョンコロージョンによる事故だ
数十年間点検せず、減肉に気づかず突然パイプが破裂して死傷者が出た事故だ
点検管理をしている協力会社が変わったことにより、点検周期データーが移管されず長期間点検漏れになった事例だ
配管の中にオリフィスを挿入すれば下流側は渦を巻く。鉄板をも削る。
http://www.shippai.org/fkd/cf/CB0011025.html
https://www.youtube.com/watch?v=PtvBSovjisM
温度計の保護管なども、下流側で渦をつくる。共振すれば、保護管も折れることがある
計装計器に関わる事故事例も知っておいて欲しい
私の知っていることを少しでもブログで発信し次の世代につなげていきたい。