事故事例に学ぶ 熱交換器の重大事故--死者10名
高圧ガス保安協会が発行している協会誌「高圧ガス」に過去の事故事例に学ぶと言う特集が過去に組まれていることがある
2017年1月号から石油精製と石油化学分野で特集が組まれた
2017年2月号に過去の事故事例に、千葉県袖ヶ浦で起きた大きな事故の記事が出ていた
1992/10/16に起きた千葉県袖ケ浦市の製油所の熱交換器の事故が書かれていた。
熱交換器に関しては日本最大の犠牲者が出た事故だ。10人という死者が出た事故だ。それにしては、あっさりと書かれていた。
事故事例に学ぶという企画にしては、あまりにもあっさりとした文章だったのを覚えている。この事故は日本の産業界にとって実に貴重な事故だ。
反応器の事故は多くの犠牲者が出ると思っている人が多いが、反応器では犠牲者の数は少ない。むしろそれ以外の装置のが犠牲者の数は多い。
なぜなら、反応器は危険だと誰でも考えているから多くの安全装置を備え、事故に対する備えが多いからだ。
それに対して、熱交換器は誰でもそれほど危険と考えていない。だから事故が起こる。
高圧ガスという協会誌の記事は、会員しか見れないのでここには掲載できないので、他の記事のURLを紹介しておく
http://www.shippai.org/fkd/cf/CB0011018.html
協会誌「高圧ガス」に記事を投稿してくれたのは、2017年頃の企業の安全部長さんだ
事故から、26年も経っているのだから、事故当時の当事者では無いだろう
事故から時間が経つと、事実を知っている人はどんどんいなくなる
それでも、誰かが過去の失敗を伝えなければいけないから記事を書く
この記事は、事故の当事者が書いているわけでは無い。過去の事故報告書を読んで書いたのだろう。
事故の事実を知らない人が、事故の本質を書くのは難しい。
過去の事故事例に学ぶと言うなら、この記事での論点は本来なぜ一度に10人もの犠牲者を出したかという所に論点を当てなければいけないはずだ。
しかし、当時の関係者で無ければそこまで深掘りした記事を書くことはできない。
一度失った命は、二度と戻ってこない。企業が、力を入れなければいけないのは死亡事故のような重大事故を防ぐことだ。
多くの事故を経験した人が自ら語っていくことが、事故の教訓に重みがある。
事故の教訓を伝えられるのは、事故を自ら経験した人しかいないからだ。
これからも情報を提供していきたい