詰まったバルブで起こる事故のパターン

事故のパターンは、大きく分けて2つだ。
一つは、無理矢理、針金でつついて開けようとして起こる事故
バルブが詰まっていれば、安易に針金などでつついてみようと思う人は沢山いるはずだ
誰でも、バルブが詰まれば詰まりを解消したいと思うのは当たり前だ。ところが、この詰まりを取り除く作業には、思わぬ危険が潜んでいる。
詰まっているバルブの詰まりが突然とれたら、どうなるか考えて欲しい。
当然、詰まったものが噴き出してくるはずだ。
それで終われば良いのだが、たいていはバルブを開けた状態にして、詰まりを取り除こうとしているはずだ。
つまり、詰まりがとれればバルブは開放状態だから大量の液やガスが、その後噴き出してくる。
周りは、ガスや液が噴き出すのだから、霧がかかったような状態になるという。視界が極端に悪くなることもある。
可燃性の液やガスが噴き出してくれば、静電気で着火する。
毒性ガスが、噴き出してくれば周りにいる人がばたばたと倒れていく。
事故を、経験したことがない人はこの状況を予想できないだろうがこのような事故は過去に幾度も起きている。
今から半世紀ほど前の事故だが、詰まっているバルブを針金などでつついて詰まりを解消しようとして起きた事故がある。
製油所の事故だ。装置には硫化水素が含まれていた。定期修理に入るため、装置を停止していた。あるドラムで、液が抜けなかった。
現場の責任者達は、なんとか脱液しようと焦っていた。誰かが、針金を持ってきてドレン弁をつつき始めた。
バルブを開けた状態のまま針金でつついていたのだ。
しばらくして、突然詰まっていたものが取れ大量の硫化水素という毒性ガスを含んだ液が噴き出してきた。
周りにいた人達が次々に倒れ込んでいった。
毒性ガスが噴き出すとは思っていなかったので、防毒マスクも用意されていなかった。多くの人達がそこで命を失った事故だ。
バルブが詰まっていたら安易に針金でつついて詰まりを取ろうとしないで欲しい。
もう一つの事故のケースは、弁を少し開けて、液やガスが出てこないので、そのまま弁を開けたままにしていてしばらくして突然詰まりが取れる事故だ
バルブを開の状態にして。突然詰まりがとれてしまえば液やガスが噴き出してくる。弁が開放状態なのだからすごい勢いで噴き出してくる。
近づけないから、弁を閉めることもできない。とても恐ろしいことが起こると思って欲しい。
過去の事故事例を紹介しておく 参考にして欲しい
この事例は、詰まったバルブの弁を開けたままで仲間と相談中に突然詰まりが取れて起きた事故だ
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200103.html
http://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00049.pdf

2022年09月11日