生産革新という言葉
1990年代頃化学業界で生産革新という言葉が使われ始めた。今から30年前だ
https://www.jma.or.jp/seisankakushin/imgs/pdf/JMA201010.pdf
化学企業と言っても、古くからの小規模プラントが存在する時代だ
企業間にかなりの格差があった
DCSを完全に使いこなしている企業もあった。まだまだ、職人芸的なことをしている企業も沢山あった
そんな背景から、生産革新という言葉を打ち出した企業があった。政府もそれに乗り、生産革新という言葉をもてはやした
背景にはバブルがはじけた上、海外からの追い上げで化学業界も苦しい時代だったからだ
当時先進的な工場は、一つのプラントは数百メートル規模のプラントだ
しかし、昔ながらの古い小規模生産型の化学企業はたかだか数十メートル規模のプラントが工場内に乱立していた
明治、大正、昭和の家内工業的化学企業もまだ1990年代は存在していた
当然小規模プラントを多く持つこれらの企業が、生産革新に飛びついた
当時千葉県の京葉コンビナートで仕事をしていたが、この生産革新的なことは既に終わっていた
当時京葉コンビナートではそんなことは、とうの昔に完了しており、DCSで全て織り込まれていた
ところが、プラント規模の小さい岩国にある工場は、この生産革新という言葉に乗った
小規模の職人的な仕事をシステム化しようという活動だ
機能の全く違う小規模プラントを、無理矢理統合化しても本来それほど人は減らせない。しかも、人手がかかるバッチプラントだ
しかし、金額的な成果を出すためにはかなり無理な省人化をした。おかげで、安定化するまでに時間がかかった記憶がある
でもなぜか、当時の政府は生産革新をもてはやした。あたかも、すごいことのようにだ
昔ながらの小規模プラントの塊をあたかも統合化して生産革新をしたかのように言っていたのだがそれはそれで当時はもてはやされた
時代時代をみて思うのは、プラントの規模や特性を見て生産革新を続けていくことだ
化学産業を見て見ると、ものすごく企業間で、文化、技術、知識の差はある
一律に、生産革新という言葉はあり得ない
しっかりと、自分の企業の立ち位置を見ておくことだ
国内だけではなく、グローバルで見て見るとものすごい企業格差は存在する
だから事故は起こるのだ