HAZOPで逆流というリスクを見落とすな--コーンルーフタンクの破裂
ポンプを停めるときに失敗すれば、高圧の吐出側から、吸入側へ逆流が起こる。
高圧のポンプで、逆流すればポンプ吸入側に接続している機器の耐圧がなけれ装置が破壊される
ポンプ停止は、人が行うものだ
人は必ずミスをする。ベテランだからと言って人は失敗しないわけではない
ポンプがあれば必ず逆流を考えて欲しい
逆流防止対策で、逆止弁を付ければ安全かというと100%安全というわけではない
逆止弁は100%作動するという保証は無いからだ。点検管理が行われていなければ、故障して作動しないこともある
逆止弁があるから大丈夫と思い込んで、何度も何度も事故が繰り返し起こっている現実がある 逆止弁はHAZOPで注意が必要なところだ
過去に起こっている事故事例で公開されているものがあるので一つ紹介しておく
岡山県の倉敷で1988/3/18日に起こった事故事例だ
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000135.html
http://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00026_s.pdf
http://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00026.pdf
http://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00026_a.pdf
HAZOPでポンプがあれば必ず逆流を考えて欲しい
ポンプが高圧ポンプであればその逆流リスクは徹底的に見て欲しい
ポンプの吸入側(IN)が圧力に弱いコーンルーフタンクであれば、逆流すれば簡単にタンクは破壊されると思って欲しい
逆流防止弁を付けたからと言って安全ではない。機械は故障することがあるからだ。HAZOPで注意しなけれいけないのは歯止めがいくつあるかだ
HAZOPで大事なことは、異常に気づく仕掛けがあるかだ。逆流なら、逆流で警報が出るかだ
液が噴き出して気づくのではもう遅い。少なくとも逆流検知器はほしい。警報は最低限欲しい
異常に気づいても、逆止弁は作動しないことはある
定期的に点検しなければ、いざという時作動する保証は無いからだ
逆流で時間的余裕がなければ、逆流を検知してすぐに流れを停める緊急遮断弁を併設しておくことだ
手動で操作できる緊急遮断弁があるからと安心しないで欲しい。手動では対応が遅れがちだ
逆流を検知した設備と連動して自動的に作動させて欲しい。人が気づいて作動させるのでは遅い
安全とは、2つ以上の安全対策を人の力を借りずに自動的に行うことも必要だと考えて欲しい
安全対策は1つでは破られる。人はミスをするから機械の力をかりるのだ