電気火災に思う--電気ケーブル火災

電気ケーブルの寿命はどのくらいかと聞かれることがある
まずは、20年から30年と答える
電線メーカーも公式的にはそう言っているからだ
https://www.jcma2.jp/files/gijutsu/Shiryo/107.pdf
電気設備というものは、だいたいこの程度の期間は使えるように設計されている
但し、誤解してはいけないのはあくまでも、電気メーカーの標準設計条件に合う使われ方をしている場合だ
つまり、電気設備に周囲の温度は、一般的な外気温とあまり変わらないこと。つまり、0~40度程度
周囲の空気も、正常で腐食性ガスなどが存在していないという条件が満たされるケースだ
つまり、高温部や腐食環境などであれば、寿命はもっと短くなるということだ
過去の事故事例を見ると、機械の周囲の電線で常時油がかかるような所では数年で電線がトラブルを起こしている
室内で高温の装置がある近くを通っている電気ケーブルは10年も経たないうちに短絡事故を起こしている事例もある
使われる所の条件によって、寿命は大きく変わってくると考えた方がよい
一般的な電気火災の原因は「短絡」だ。つまり、ショートが原因で電気ケーブルの被覆や絶縁材に火がつくのだ。
ケーブルを施工したときに、工事で傷がついたことが発端になることもある
ケーブルの皮剥きの時の傷や、工事時のくぎや、ボルトの残材で傷がついた事例もある
傷があれば、微細放電する。時間をかけてその周りの劣化が進み最後は放電短絡となる
ケーブルは一般的に難燃剤被覆だ。最初はくすぶる程度で収まっても、ケーブルに油脂類が付着していればあっという間に燃える
ここ最近起こった、半導体工場の火災も、電線の短絡が原因だと言われている
ケーブル火災で怖いのは、延焼だ
ケーブルダクトはトンネル効果というものがある
燃え始めると上昇気流であっという間に延焼する
温度の高いところで使うケーブルは、まずは難燃ケーブル選定することだ
更に、ダクト内の延焼防止対策を行って欲しい

2022年10月03日