調節弁の安全方向 フェイルセイフ
工場で多くの計装用調節弁が使われている
自動制御用の弁だ
この弁の設計には、トラブルが起きたときの安全対策を考慮して設計されている
いわゆる,フェイルセイフという設計思想だ
弁というのは,開けるか閉めるかだ
弁を動かすのは,空気か電気か,油圧などだ
これを駆動源という
空気や電気は,突然途絶えることもある。用役トラブルだ。停電などが引き金になることもある
配管が折れることもある。空気の供給源が故障することもある
電気とて停電することもあるからだ
ならば,万一のことを考えこの電気や空気が途絶えたときでも調節弁などの自動制御弁が安全な方向へ動くよう設計する必要ががある
例えば,反応器の冷却水の調節弁なら、安全方向として弁は開く方向になるようにして設計しておく
トラブルが起きたら,冷却水は多く流した方が良いからだ
弁が閉まる方向に設計されていたら,反応器の温度は上がり反応暴走になることもある
万一調節弁の空気が途絶えたり,電気信号が来なくなっても,安全となるように開くようにして冷却水を流し続けるのだ
この,安全な方向に動かすという設計思想は非常に重要だ
万一、設計をまちがえれば危険な方向になる
こんな事故事例がある
計器点検中誤って反応器の温度調節計のスイッチを切り,冷却水が停まり反応制御できず反応工程の塩化反応器が反応暴走した事故だ
調節弁のフェイラーポジションの設計ミスでもある
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000020.html
安全な方向へ動くよう当初から設計されていなかった事故だ
設計時だけではなく,調節弁などを転用するときにもこのフェイラーポジションを確認して欲しい
調節弁を転用したときにフェイラーポジションの確認を怠たったことで起きた事例もある
自分達のプラントの調節弁のフェイラーポジションが本当に安全方向にあるか一度検証して欲しい