タンクの防液堤の管理

タンクから液が漏れることがある
万一を考え液が漏れたときでも液を溜置く安全装置として防液堤というものがある
防液堤は、防油堤とも呼ばれる
1960年代に,新潟地震というものがあった
新潟にある製油所から大量の油が漏れた事故だ
http://www.shippai.org/fkd/cf/CB0012035.html#:~:text=6%E6%9C%8816%E6%97%A513,%E6%99%82%E3%81%BE%E3%81%A7%E7%87%83%E3%81%88%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%81%9F%E3%80%82
当時の防油堤は,今のようなコンクリート一体構造ではなく単にブロックを積み上げた物だった
その為,地震で簡単に崩れ去り油が漏れ出てしまった
更に,防油堤に配管を通す貫通部に耐震性がなく地震の揺れで隙間ができ油を漏らす結果となった
1970年代に防液堤が関係する重大事故が起きたことがある
瀬戸内海の海に大量に油が流れ出た事故だ
https://digioka.libnet.pref.okayama.jp/detail-jp_c/id/kyo/M2004090621134837606
http://www.shippai.org/fkd/cf/CB0012040.html
防油堤はあったものの,防油堤の一部が破損して油が海まで流れ出た事故だ
その後、法令が改正され、大型タンクの存在するコンビナートでは、一つの防油堤が壊れてもすぐに油などが海に漏れ出さないようになった
つまり、防油堤の外側を更に囲む防油堤が義務ずけられた。お城で言えば、内堀の外に外堀を設けたようなものだ
現在の法律では,可燃物にせよ毒劇物にせよタンクなどの貯槽にはこの防液堤の設置が義務ずけられている
きちんと防液堤が管理されていれば、全量漏れても防液堤内に納めることができる
ならば,防液堤があれば外部へ漏洩事故が起きないかというと管理が悪ければ事故は起こる
防液堤の外まで可燃物や毒劇物を流出させた事故の原因で多いのは防油堤に付いている水抜き弁を開けっぱなしにしていた事例が多い
水ぬき弁は、本来常時閉じておくことが原則だ
大雨などで、防液堤内に雨水が大量に溜まった時だけ、水抜き弁を開ける
しかし、運用管理がいい加減でいつも水抜き弁を開けているときにタンクから液が漏れて防液堤外に流れる事例が多い
タンクの水抜き弁はしっかり管理して欲しい

 

2022年11月08日