破裂板で起こる事故 その2

破裂板が原因で起こる事故について前回に引き続き書いてみたい
破裂板が設定圧とは異なる圧力で作動してしまう事例がある
一つはメーカーの製造ミスや品質不良だ
わずかに表面が荒れて製作されたことで設計値とは違う圧力で作動している事例もある
破裂した破裂板と同一ロットの破裂板を検査したところ、表面加工の仕上がりが粗く
コーナーの角度の加工が非常に鋭かったことから、表面加工傷に何らかの応力が集中し、亀裂が進展し破裂に至った事故もある
メーカー品だから大丈夫だと言うことはない
安全弁なら受け入れテストで作動確認ができるが、破裂板は破裂させては元も子もない
こんな事故事例もある
破裂板出口側の配管が狭かったことで起きた事故もある
放出配管の口径が小さく、またサポートが十分でなかったため作動時先端部分が振れ、配管が折れ曲がり破損した事故だ
流出した流体が折れ曲がった部分で断熱圧縮状態となり分解爆発を生じた事故だ
出口側が詰まるような設計をしていると、圧力が高いと断熱圧縮が起きて温度が上がり放出ガスに着火した事例だ
出口側配管が狭いと断熱圧縮で温度が上がり、異常反応が起こることも忘れないで欲しい
サポートもしっかりしていなかったことも関係している
出口側配管は、直角の曲げをつけてしまうとガス放出時の圧力でこのようなことになる
破裂板からのガス放出時はとんでもない圧力がかかる
放出部の設計も甘く見ないで欲しい
破裂板は金属だ。放出時に破片が飛び散ると金属同士ぶつかって火花を生じることもある
この火花が、着火源になることもある
破裂板に十文字のスリットが入っている物があるが、スリットのおかげで破片を飛び散りにくいようにしている
金属破片が着火源になることもあると言うことだ

破裂板放出口周りで問題になる設計が存在しないか現場で確認して欲しい
サポートもしっかり取られているのか。ゆるんでいたり外れている物が無いか見て欲しい

2022年12月04日