なぜ事故が起こるのか HAZOP的視点で

なぜ事故が起こるかという問題を考えると色々な切り口がある
一つは、危険源が存在するからだという切り口だ
世の中にある、危険源は、物質危険性、人のミス、設備の故障、外乱がある
もう一つの切り口は、管理が悪かったという切り口だ
危険源があるということはわかっているのだから、危険源をどうコントロールするかだ
設計の段階で、危険源を押さえ込むこともできる
安全性評価をして、危険源を排除することもできる
運転操作や作業で出てくる危険源であれば、運転管理や作業管理を徹底することで事故を起こさないようにすることもできる
では、HAZOP的な視点で事故を起こさないようにするのはどうするかと考えてみたい
HAZOPはずれが事故を引き起こすというのが原点にある
ずれが起こることで、事故のシナリオが出来、安全対策が不十分であれば事故になるというロジックだ
ということは、事故が起きるのは「ずれ」に気づかなかったというのが、最初の入り口だ
ずれに気づいていれば人は何らかの対応をとり、事故は防げたかも知れない
つまり、ずれに気づけるような環境があるかが重要だ
計器に警報がついていなければ、よほどの偶然がない限り異常に人は気づけない
異常に気づくには、警報という設備がついているかがポイントとなる
次に人が異常に気づいても、事故を防げるとは限らない。時間的に余裕がなければ対応できない
時間的に余裕がなければ、機械的な安全装置が不可欠だ。安全弁をつけておくとか、自動インターロックをつけておくかだ
ではそれで、事故は起きないかというとそうでは無い
設備管理や、運用管理などがしっかり出来ていなければ事故は起こる
安全弁は、定期的に点検していなければいざという時に作動はしない
インターロックも、点検やインターロック解除条件などの運用管理が必要だ
事故を防ぐには異常に早く気づく道具や環境が必要だ
更に、気づいたら人にあまり負担をかけずに安全に停止するハードウエアーも備えておくことだ
安全は人と機械とバランスがとれておくことが大切だ

 

2023年01月15日