寒波や凍結で起こる事故 その2

凍結で起こる事故が、とんでもない規模の事故になってしまう事故も沢山ある
凍結で装置が壊れ大量の可燃物が外に出て大事故になるケースだ
1985/1/18西ドイツで起こった事故だ。エチレンプラントで配管凍結で可燃物が漏れ蒸気雲爆発だ
使用していない予備ポンプの3Bバイパスライン内に滞留した水分が凍結して配管が折れ、大量のエチレンとプロピレンが漏れた
当日は-10℃であった。凍結で50cmの亀裂が生じたという
事故のキーワードは予備機と言うところだ。通常、使用していない機器や配管に関しては運転・保全の関係者はどうしても関心が薄くなる
つまり、予備のポンプとは言え、運転中機器と同一の管理が必要だと言うことだhttps://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00231.pdf
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00231_s.pdf
1989/12/1カナダの製油所で起こった凍結爆発事故だ。使用していない配管に水がたまり、凍結破損した事故だ
事故のキーワードは、遊休機器だ。使っていない配管で事故が起きている
使わないなら、すぐに配管を撤去しておけば起きなかった事故だ
企業の中に使わなくなった者は沢山あるが、なかなか撤去費をかけてまで撤去が進まない
いらなくなった物に金はかけたくないというのが背景にある
ところが、世の中この使わなくなった配管で起こる事故事例は実に多い
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00207.pdf
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00207_s.pdf 
1999/2/5 兵庫県にある製油所で起こった冬場の事故だ。
製油所近辺は異常な寒波に見舞われていた。内部流体は温度390℃、圧力14.7MPaの高温部配管の下側に保温をしていなかった
気温0℃、風速1.5m/sの異常寒波が襲来した。寒波で急冷しフランジにすきまが出来漏洩し火災になった事故だ
フランジの上側は雨カバ-があったが、下側は保温が無かった
折からの寒波に晒され、上下フランジの温度差が大きくなり、その繰り返しによりリングガスケットの当り面に微小な変化が生じ、漏えい自然発火に至った事故だ
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00198.pdf
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00198_s.pdf
ここに紹介したのは事故事例として公開されているものだ。公開されていない事例は沢山あるはずだ
気温の下がるこの時期の、寒冷対策はしっかりやって欲しい

 

2023年01月25日