化学物質の安全管理とDX(デジタルトランスフォーメーション)

化学物質の安全管理という言葉は非常に幅広い意味を持つ
人が化学物質を取り扱うことへの人体への影響もある。排気や排水することによる動植物への影響
化学工場であれば、爆発火災の危険性という切り口で考える必要もある
いずれにせよ、しっかりとSDSや文献を集めて物質そのものが持つリスクを解析しておく必要がある
とはいえSDSですべてがわかるわけでは無い
混触反応など、色々な化学物質との組み合わせの情報がすべてSDSに書かれているわけではない
混触のリスクは重要なのだが、書籍もほとんどない
そこに混触を管理することの難しさもある
今から、数十年前にこんな書籍が出たのが最後だとおもう「化学薬品の混触危険ハンドブック 第2版」日刊工業新聞
この書籍のデーターは、労働安全衛生総合研究所から公表されている。利用されたい
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/houkoku/houkoku_2021_03_HDDB.html
反応性や爆発性などの関する情報もそう簡単に手に入るわけでは無い
温度や条件によって物質は性質が変わる。更に濃度も違えば変わってくる
純物質での性質と、混合物での性質も又変わるということだ
多くの条件で情報が整理されてどこかに保管されているわけでは無い
そこに、物質危険性の情報を的確に得ることの難しさがある
小さな化学工場でも危険な物質を取り扱っている
小さな工場で化学の専門家を沢山保有しているわけでは無い
したがって、化学物質の安全性を迅速に捉えられるかというとそうはいかない
企業規模が小さければ、色々な情報を収集できない。そこに、事故の芽がある
物質危険性や事故や災害に関する情報を集約的に管理しきめ細かく公開する機関が欲しい
日本国内を見ても、安全に関して国の外郭団体がバラバラに存在する
それらの機関が又、バラバラに情報を発信している
インターネットで情報をうまくヒットできるかというとそうはいかないのが現実だ
企業でも個人でも安全管理に関する情報を効果的に入手できるような体制づくりが不可欠だ
化学物資を安全に取り扱うためにもこの分野のDXは進めていく必要がある

現状ばらばらに存在しているビックデーターを効果的に使えるようにしていくことだ


2023年04月20日