確立された技術だから安全だと思い込んでいないか
自分たちが取り扱っている技術を見て欲しい
まだまだ未熟な技術だと考えれば人は、危険だと思う
ところが開発されて数十年も経ち使われてきた技術は人は安全だと思い込む
そこに事故の芽がある
今まで安全だから、大丈夫と思い込むからだ
化学の世界で安全はない
危険な物をコントロールできているから安全で有り、少し間違えれば危険なことが起こる
人は危険な物は最初はかなり慎重になるが、時間が経つにつれ感性が鈍ってくる
そこで事故が起こるのだ
こんな事故がある。1970/5/15に起こった事故だ
アセトアルデヒド法の酢酸を製造するプロセスの爆発事故だ
当時は、この製造方法は確立されていて事故は起こるとは思われていなかった
スタートアップ時に、アセトアルデヒドの濃度管理が明確で無かったことにより異常反応が起きた事故だ
運転マニュアルも甘えがあったのかお粗末だった
濃度に関するチェック項目も無く、反応器に仕込んだ量を監視する液面警報も無くかなりずさんな管理だった
結果として濃度が高く爆発した事故だ
今まで大丈夫だったという考え方から、警報やマニュアルの整備も進んでいなかったのだろう
その当時は日本ではまだHAZOPも導入されていなかった。HAZOPを日本で使い始めたの1980年代だ
HAZOP的な対応をしていれば防げた事故だ
異常に気づく仕組みを導入して欲しい
警報があれば安全というわけでは無い。警報を聞き漏らしても安全な対策を立案して欲しい
HAZOPとはどんな物かは、私もセミナーで講演することがある
7/26にWebでの講演をするので興味があれば聞いてみて欲しい
https://www.rdsc.co.jp/seminar/230763