配管の腐食漏洩事故防止の難しさ
化学プランは配管だらけだ。小さなプラントでも数千m、大きくなれば数万mもの長さがある
つまり。対象となる配管が大量にあると言うことだ。腐食に対し検査はするものの全数検査ではない
重要なところの抜き取り検査が主体となる。結果として、想定していなかったところから漏れて事故になる
配管の肉厚検査をしても、数センチ離れれば状況は違う 局部的な腐食も起こるからだ
では、放射線検査で写真をとって平面的に見ればいいのだが、点で検査する超音波検査などに比べコストがかかる
腐食漏洩事故は、2種類ある。外面腐食と内面腐食だ。
やっかいなのは保温を被せた配管だ。保温材の中に入り込んだ水で徐々に腐食が進行する
保温材をはぐってみないと腐食状況がわからないので対応が難しいところがある
化学災害事例を見て見ると、配管の腐食漏洩事例が多い
保温材や保冷材を被せている配管での事故事例が多い
間欠運転であれば、配管に液などが流れていたり、いなかったりするからおこる事故の形態もある
温度のある流体であれば、配管が冷えたり、熱くなったりを繰り返すのだ
冷えれば、空気中の水分が結露する。保温材や保冷材のすき間を通って配管表面に水分が侵入する
時間が経てば、配管の外面腐食が起きて穴が開くのだ
https://www.khk.or.jp/Portals/0/resources/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2010-028.pdf
間欠運転で使用する配管は、保温や保冷材にすき間がないかをしっかり見て欲しい
結露で配管腐食事例は多いからだ
間欠運転でもう一つ配管で気おつけなければいけないのは、スラッジだ
連続的に流体が流れていれば、スラッジは溜まりにくいが、間欠運転だとどうしてもスラッジが配管内部に溜まりやすい
配管の立ち上がり部などにスラッジは溜まることになる
腐食性の物質が含まれていれば、スラッジ部で濃縮されたりして腐食速度は上がる
気づかずに運転していると突然穴が開いて噴き出す事例も多い
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00082.pdf
間欠運転だからと行って、管理密度を下げないで欲しい
連続運転や間欠運転で起こる事故要因にも目を向けて欲しい