人に技術有り
工場や研究所で事故が起こるのは世代交代が関係している
経験を積んだ人が退職すると、しばらくして大きな事故が起こることが多い
人が仕事で経験して得た知識が、会社に残っているかというとそうでは無い
作業手順書や技術標準に残されているように思えるが100%ではない
文字に書ける物が記録されただけで、文字に書き表せにくい暗黙知は企業には残らない
文字に書けるのは人の経験のどのくらいかはわからないが、1割にも満たないのではないだろうか
最近、アメリカのボーイングという飛行機会社の飛行機がトラブルが多いという記事があった
製造段階や検査段階でのミスが事故につながっている
この原因に、コロナ禍でのベテラン従業員の大量退職が関係しているとの記事を読んだ
コロナの時は、皆さん旅行にも行かず飛行機も生産しなかった
仕事がないので飛行機会社は大量の従業員を解雇した
若者もベテランも解雇された
人が辞めれば、企業には技術は残らない
コロナも終わり、再び景気が戻り人を採用したがベテラン従業員は戻って来なかった
ボーイングという会社はアメリカの西海岸にある
多くの優良企業もそこには存在する
ベテラン従業員を雇うにはそれなりの給与を払う必要がある
ところが、競合企業の方が給与も高くそこに人は流れた
結果として、ボーイングにはベテラン従業員の多くは戻って来なかった
その穴を埋めたのは、経験も無い若手従業員だ
飛行機産業は、自動車産業と違いほとんどが手作業だ
やはりそこには経験がいる
経験の無い若い従業員への教育にも手がまわらなかったののだろう
結果として製造や検査のミスを見抜けなかったという
昨今転職で人を補充する時代に変わってきている
そうは言っても職種によっては、時間をかけて技術伝承を必要とするものがある
やはり、IOTを進めていくに当たっても人に技術有りを考えて欲しい