ダクト火災を甘く見るな

ダクト火災は世の中で繰り返し起こる事故だ
事故の原因は、ダクトの中の状態が見えないからだ。ダクト内に色々な物が堆積しているのに気づかず事故になることが多い
ダクトの中に堆積物が溜まり蓄熱し自然発火する事例だ
ゴムや樹脂ペレット、ペンキなどがたまり時間の経過ともに、炭化し発火点が下がり火が付くことも多い
今回こんなダクト爆発事故があるのを知ったので紹介しておく。
結論から言うとダクト内の粉塵爆発だ。
https://www.rodo.co.jp/news/84153/
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H1C_Y7A210C1CC0000/
当初の報道では、爆発したとの情報だけだったが、その後企業の発表した情報では排気ダクトが爆発と言うことがわかった
企業が発表している事故の中間報告では、推定原因が書かれている
https://www.hsk.co.jp/ja/ir/news/news770459198963925383/main/0/link/00.pdf
ダクト内に溜まって付着していたアルミの粉を含む固まりが、当日の強風であおられた。
次に、その固まりがダクト内にある排気ファンの所に落ちて砕かれ粉状になった。
何らかの着火源で、着火し粉塵爆発となったということだ。
最終報告書が企業から出されているが、着火源は特定できなかったという。
https://www.hsk.co.jp/ja/ir/news/news8996936175914980609/main/0/link/00.pdf
最終報告書には、着火源の推定が3つ書かれている。

① 塗料乾固物と排気ファン衝突衝撃による着火
② 塗装ブース内非防爆非防塵リミットスイッチ内における着火
③ 排気ファン破損によるケーシングとの摩擦発熱による着火
対策も書かれているが、以下の記述は参考になる
(1)塗料乾固物の堆積/落下防止
① 水カーテン方式ブースの採用
② 排気ダクト点検、清掃の容易化

ダクト事故防止の基本はとにかく、ダクト内を容易に点検できる構造で設計することだ
その上で、定期的に点検して内部に付着物を残さないことだ
ダクトは日常の維持管理が大切だ

 

2024年04月11日