為替と設計技術力
時代時代により何が問題かは変わってくる。為替というのも、時代の変化に大きく関連する
為替の関係で少しでもコストダウンをしようと,海外から機器を輸入した時代があった
円高の時代だ。1990年代から2000年代だ。円高だから、各企業はこぞって外国から安い機械を輸入した
安かろう悪かろうの時代だった。溶接もいいかげん,強度計算もいい加減な外国製の機械が日本に入った
この結果2000年代後半には、日本の化学工場でも外国製機器の品質不良によるトラブルが多かった。
海外から輸入された機器の溶接や組立不良が多かったからだ
日本メーカーの技術力も低下してきたのもこの時代だ。日本で機械を作る機会が減ったからだ
結果として、日本の機器メーカーの技術力も低下していった。設計ミスも多く出始めていた
2000年代に入り大手重機メーカ-が,化学プラントなどの装置製造から撤退し始めた
装置の生産が海外企業に奪われたからだ
これにより,大手機器メーカーのノウハウが化学機器装置の製造に展開されなくなった
大手機器メーカの優れたノウハウが日本で展開されなくなったのがこの時代だ
設計技術力は。人も大きく関係する。
2000年代後半は、1970年代に入社して色々なトラブルを経験してきた熟練の技術者も日本では退職を始めていた
人に技術有りだ。人が持っている技術の全てが文書化されるわけではない
暗黙知の世界が存在する。技術伝承には,日頃のコミュニケーションが大切だ
製造現場では、コミュニケーションの時間をいかに作るかを考えて欲しい。言葉の中に技術は活かされていく
技術伝承とは何かというと場数を踏ませ、その結果のコミュニケーションの産物なのだろう
場数を踏まずして,ノウハウを手に入れることはできない。時間が必要だ
失敗の伝承、故障事例の伝承、設計の失敗など多くを伝えて欲しい
失敗は恥という文化がある。結果として、失敗は伝えられず消えていく
しかし、人は失敗から学んで成長してきている