反応暴走と文献紹介
化学の力で世の中に役立つ物が多く作られる。
製造工程の中には、反応工程という工程がある。
反応工程で怖いのは、反応暴走だ。化学反応を制御できなくなることだ。
反応工程を持っていたら、きちんと「なぜ」反応暴走が起こるのかを教えて欲しい。
色々な切り口で、反応暴走のリスクを検証するが、反応熱という切り口がある
発熱量(QDSC)と危険性の目安で下記のような目安がある
100J/g未満:ほとんど気にしなくてOK 弱い発熱反応だ
300J/g以上:反応暴走 要注意(100~500J/g以上は弱い~激しい発熱反応としている文献もある)
800J/g以上:発火 、爆発注意(500~1000J/g以上は激しい発熱反応としている文献もある)
1,500J/g以上:爆発要注意。そのまま扱うのは、かなり危険(1000J/g以上は極端に激しい発熱反応としている文献もある)
つまり、300J/g以上は要注意と考えた方がい
この発熱量でリスクの程度を知るという手法は案外知られていない
皆さん方の取り扱っている、物質について調べてみて欲しい
DSCという熱分析計を使えば測定することができる
https://handa.jpn.org/1/posts/post689.html
安全工学という冊子に「反応暴走」に関する情報があるので紹介しておく。以下のURLを見て欲しい
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/18/1/18_42/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/45/5/45_335/_pdf/-char/ja
高圧ガス保安協会が出した反応暴走に関するいい文献がある。反応暴走のメカニズムと過去の事故事例を紹介している。
反応工程のある工場の人達は一度目を通しておくと良い。
https://www.khk.or.jp/Portals/0/resources/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2016_01_hannou.pdf
物質危険性を勉強したいなら、安全工学会の安全工学セミナーを聞いてみると良い。 物質危険性講座というのがある
http://www.jsse.or.jp/Events/Annual_cl/
また機会を見ながら世の中に埋もれている反応暴走に関する文献も紹介したい