活性炭による事故--吸着熱

発熱が事故につながると言うことはご存じだろう。とはいえ発熱には色々なパターンがある。
反応熱というと誰でも事故に関係する熱だと理解するが、反応熱以外の発熱となると案外理解していないのが現状だ。
吸着熱などという熱も、事故につながるとは考えていない事故事例が多い。
発熱温度が500度近くもなるのだから、誰でも知っていて欲しいのだが現実ほとんど知られていないから繰り返し事故が起こっている。
私も、この吸着熱に関心を持ったのは今から約20年くらい前だ。
下関と言うところにある工場に赴任していたとき,活性炭による吸着工程があるプラントを担当していた。
活性炭には発熱があるとは聞いていたがたいしたことは無いと思っていた。
あるとき活性炭は産地によりその特性が大きく変わると聞かされた。
最初は吸着性能だと思っていたが、良く聞くと発熱温度がかなり変わると言うことがわかった。
さらに聞くととんでもない温度迄上がると言うことがわかったのだ。
一般的に物質の発火点は300度だ。吸着熱はこれ以上になるという。400度~800度位にもなるという
活性炭を使えば発火することもあるのだ。活性炭を通過するガスが、爆発混合気の濃度なら火災では無く爆発にもなる
活性炭は着火源と考えた方がいい
https://sce-net.jp/main/wp-content/uploads/2020/08/a0703_01.pdf
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200109.html
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000089.html
活性炭を扱う装置なら、温度計は必ずつけて欲しい。一定温度を超えたら警報が鳴るようにして欲しい
活性炭は新品に交換したときが危ない。活性度が上がり、吸着熱が上昇するからだ
夏場外気温が上がるときも危ない。屋外に置いておいて自然発火した事例も多い
活性炭などの吸着性物質は、脱臭などの工程で多く使われている
活性炭は着火源と思ってしっかり管理して欲しい

 

2024年07月10日