事故や災害に思う

 このところ暑い日が続いている。今日の昼のニュースで、過酸化物を置いていた倉庫が火災という情報が流れていた。

過酸化物という物質は、温度に敏感な化学物質だ。物質によっては、常温でも反応をはじめてしまうやっかいな物質だ。

そうは言っても、きちんと定められた温度以下の低温で保管していれば問題のない物質だ。

しかし、過酸化物のこの性質はしっかりと教育されていないから繰り返し保管中でも事故が起こっている。

有機過酸化物の事故は目新しいものではなく、昭和40年代頃から事故は増え始め過去に次のような労基の通達も出ている

https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-27/hor1-27-8-1-0.htm

保管中で起きているいくつかの事例を挙げると

①冷暗所に保管せず屋外に放置して保管していた

②倉庫内に保管してはいたが、冷却装置のない倉庫だったまたは換気装置がなく倉庫内に熱がこもる設計だった

③冷却装置はあったが装置が故障して、温度上昇により爆発した-故障時の対策をしっかり考えていなかった事例だ

④冷蔵庫に保管中停電となり温度上昇で事故になる

⑤実験室内でドライアイスで冷却していた。予定外にドライアイスの消費が進み温度が上がり事故になった

⑥過酸化物の袋を積み重ねて保管していた。風通しが悪かったため、部分的に袋の一部の温度が上がり反応を始め事故になる

 

とにかく温度が上がれば勝手に反応を始めるやっかいな物質だ。冷やせなければ事故になる典型的な事故のパターンだ

温度の上がるこの時期、倉庫内の化学物質管理について点検して欲しい

2017年07月27日