ポンプのキャビテーションで起こる事故
キャビテーションという現象を知っているだろうか。ポンプの中で泡が発生する現象だ
水は地上では、100度で沸騰するが、富士山の山頂では圧力が低くなるため、100度よりも低い80度くらいで沸騰を始める
つまり沸点は、圧力により変化する
ポンプは、液体を吸い込むため一度内部で圧力が下がる構造になっている
圧力が下がると、先ほどの富士山での例のように、液体は大気中での沸点よりもかなり低い温度で気化を初めてしまう
つまり、ポンプ内で圧力が下がることにより、沸点が外気温に近いような流体の場合液が気化してしまう現象が起こる
つまりポンプ内で泡が発生してしまうのだ。泡が発生して、ポンプの出口側へ移動すると今度は圧力は上がるので泡は消える
この泡が消えるときに、泡で激しい振動が起こる
この振動が事故につながる。ポンプ廻りのフランジのボルトなどがゆるみ液が漏れ出すことがあるからだ
更に怖いのは、ポンプでキャビテーションが起こると液をうまく送り出せなくなる。吐出圧が維持できないと、液が逆流を始めることがある
ポンプで逆流が起こってしまうと阻止することは簡単にできない。逆流防止弁があるから大丈夫かというと、いざというとき作動しない事例は多い
逆流防止弁は定期的に点検していないと、錆び付いたり異物が付着して動かないことがあるからだ
公開された記録はないが、1969/10/13に大阪の製油所でポンプのキャビテーションが原因で起き,3人が死亡する事故がある
その後もキャビテーションで事故が起こっている
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00128.pdf
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00042.pdf
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000158.html
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00146.pdf
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200084.html
https://www.khk.or.jp/Portals/0/resources/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2014-211.pdf
,https://www.khk.or.jp/Portals/0/khk/hpg/accident/jikogaiyouhoukoku/2020-416.pdf
若い人達に常に語りかけて欲しい。キャビテンションを甘く見るなと