地震という外乱が引き起こす事故

1987/12/17に千葉県で大きな地震があった。丁度師走の今頃だ
当時千葉県の京葉コンビナートに務めていたのでかなりの揺れを覚えている
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E8%91%89%E7%9C%8C%E6%9D%B1%E6%96%B9%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87_(1987%E5%B9%B4)
気象庁の公式記録では、M6.7,千葉県の広範囲で震度5を記録。死者2名、負傷者161名、建物全壊10棟、半壊93棟一部破損6万3692棟
当時は各市町村に地震計はなかったので、千葉の中央部などでは震度6弱があったと言われている
https://www.youtube.com/watch?v=7id7c7y0Llo
こんな文献もある。地震のガル数情報も書かれている 200ガルから最大400ガルと書かれている
https://www.shimztechnonews.com/tw/sit/report/vol49/pdf/49_006.pdf
震央に近い鹿島のコンビナート地区では41工場の内、33工場が一部プラントを停めた。全プラントを緊急停止したのは21工場だった。
減産も9工場だ。
震央から42K離れていた、千葉県市原にあった私の工場では被害はなかったが、一部プラントは停めた記憶もある
隣にあった日本合成ゴム(現ENEOS)は105~164ガルの記録がある。液状化の被害も多かった
横浜のコンビナートでは、地震でルール通り装置を停めなかったとして行政から指導が入っている
この地震以降、地震時の停止基準ルールの運用の厳格化が求められるようになったという
地震で東京電力の発電所が自動停止したり、送電線の異常で停電も起こっている
近隣の工場では地震による停電で除害設備から塩素を漏洩した事故が起きている
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000197.html
地震で電気リレーが誤作動し停電になり、非常用電源に切り替わったもののすぐに停止してしまい、除害能力がなくなり塩素を放出した事故だ
千葉県東方沖地震が発生し、プラントは緊急停止した。正常にインターロックが働き、反応ガスは除害塔へ放出された
しかし、地震で変電所の地絡リレーが誤作動し停電となった。直ちに、バックアップ用の非常電源が起動した。
ここまでは良かったが、非常用発電機の冷却水低下検出器が発電機停止のインターロックに入っていた
地震の揺れなのに液面低下と検出してしまい非常用発電機が停止してしまったのだ。
それに気がつき、再起動させるまでの間、除害塔のNaOHポンプが廻らず除害できなかった塩化水素が2分間放出された。
近隣企業の社員が負傷した事故だ。地震が起これば、液面は揺れる、液面低下のような警報は出る。
警報だけなら問題は無かったが、インターロックで停止する設計にしていたのが問題だった
非常用発電機のインターロックの設計に問題が無いかみて欲しい

 

2024年12月20日