タンク内作業での火災爆発事故は繰り返す
タンク内作業での火災爆発等の事故事故事例は多い。タンク内に入り人が作業することがあるからだ。
タンク内で火災などが発生すれば重大事故につながる。本来、タンクの中に入らずに外から作業が出来れば良いのだがそうはいかない。
どうしても、中に入ってやらざるを得ない作業があるからだ。中に人が入れば、酸欠事故になることもある。
タンク内にはスラッジなどの残渣が残っている。いわゆる油かすだ。油分には、ガスが内部に含有していることが多い
タンクに入る前に、ガス検知をしてもこの残渣に含まれるガス分はすぐにガスを発生していない可能性がある。
つまり、ガス検OKでタンク内に人が入ったあと、タンク内で作業して動き回ることで、油などがかき廻される。結果としてガスが発生する
可燃性ガスであれば、着火源さえあれば爆発事故になる。可燃性ガスの管理は、最初だけではなく作業中常時行う必要がある。
ガス濃度管理もさることながら、着火源を作り出さないことだ。作業でプラスチックのモップなどを使えば、静電気が起こる。
カッパを着ていれば、カッパもプラスチックだから、同様に人の動きで静電気が発生する。
金属製のシャベルなどでタンクの底板をすくえば金属による火花も発生する。
硫化水素など毒性ガスもあるだろうから、中毒の注意も必要になる。過去に多くの事故が起こっている。
タンクの火災事故でこんな事故事例がある。
http://tank-accident.blogspot.jp/2017/04/blog-post.html
https://khk-syoubou.or.jp/pdf/accident_case/manabu_18_2_3_b_2.pdf
では、タンクの中に入って清掃するときなどのガイドラインはあるのかというとこんな物が存在する。
アメリカの規格ではあるが ANSI/API2016 石油タンクの入槽および清掃に関するガイドラインというのがある。
https://www.intertekinform.com/en-gb/standards/api-2016-2001-97063_saig_api_api_203424/?srsltid=AfmBOopQnLUfkuQVqIFYCsddJ6JndnX2tNF64tIBTRAx8Eg3W_35pU12
日本では、石油連盟から屋外貯蔵タンク清掃工事のガイドラインというのがある。手に入れられる人は見てほしい。
これらの情報は、危険物保安協会の冊子で過去に紹介されたことがある。
石油連盟のガイドラインは、Safty&tomorrow NO112 2007.3 79-81頁だ。
ANSI/API2016に関しては 、Safty&tomorrow No133 2010.9 60-64頁に記事がある。
タンクローリーはマンホールから何メーター離せ。ベントガスは、地上に向けて放出するな。
タンク内の可燃性ガス濃度は爆発下限界の何パーセント以下にせよなど具体的な情報が書かれている。
手元に無い方は国会図書館の複写サービスなどで文献を手に入れられるはずだ。
ぜひ皆さんには読んでほしい文献だ