非金属製シュートや樹脂パイプ使用で起こる静電気発火事故は繰り返す
工場で品物を投入したり、排出しようとするとシュート(シューター)と呼ばれる道具が使われる
例えばタンクや反応器の中へ原料や触媒を投入する時にもシュートが使われる
出来上がった製品を,装置から抜き出すときにもやはりシュートが使われる
斜めに傾けて製品などを下に送り出すのだ
シュートを使う時に必ず材質を考えて欲しい
軽いのが誰でも好まれるので,塩ビなどの樹脂製シュートが使われることが多い
金属製であっても,軽量化のために表面はポリエチレンなどの樹脂でコーテングされているシュートも使われる
シュートが金属製であれば事故は起きないのだが、プラスチックなどの非金属や,樹脂ライニング製シュートで事故は起こる
樹脂を使えば非導電性だから静電気が発生する。わずかに可燃性の物質が存在すれば,発生した静電気で着火火災となる
樹脂でできたシューターならー静電気は数万ボルトも発生することがある。静電気で着火するのは,数千ボルトもあれば足りる
過去に多く起きている事故は,プラスチックを使ったシューターで原材料を入れていたり,製品を抜き出しているときに起こっている
事故が起きてから,実施している安全対策はシューターを金属製にしてアースを取るか導電性のあるシューターに取り替えるかだ
たかが,シューターと甘く見ないで欲しい
こんな事故事例があるので紹介しておく。樹脂製のパイプを使って、フレコンから触媒を反応器の中に投入していた
樹脂製パイプの中では1万ボルトの静電気が、事故後の実験で発生していたことがわかっている
更に、投入していた触媒は新品のものだけでは無く、再利用品もあった為0.8%のベンゼンを含有していた
ベンゼンは可燃物だ、そこに1万Vの静電気が発生すれば簡単に火がつく
反応器内で作業をしていた、作業員の服もやけやけどを負ったという事故だ
事故の詳細と、再発防止策が紹介されている
http://www.khk-syoubou.or.jp/pdf/magazine/220/kikenbutsu_jikokanren_info.pdf
金属製で無ければ,静電気などは逃がせない。わずかでも可燃性の物質を取り扱うなら,非金属パイプや樹脂製シューターは使えない
危険物や有機溶剤など多くの場所で使われているはずだ
導電性のある道具を使わなければ発火事故は起こる
自分の工場にある,投入設備のパイプや投入シューターの材質が静電気が逃がせる物か検証して欲しい
石油、化学、金属加工、電気などあらゆる業種で材質が適切か点検確認して欲しい
