小口径配管が引き起こす事故

製油所や化学工場では沢山の配管が存在する。太い配管は、漏洩などがおきればリスクが高いのでしっかりと点検や整備が行われる
ところが、口径の小さな配管は案外おろそかにされる。そこで多くの事故が起こっている
小口径配管という用語がある。配管サイズが1B未満の配管だ。ミリサイズで表現すると、直径25mm以下の小さな配管だ
計装設備の配管はこの小口径配管だ。ポンプ廻りの、エアー抜き配管やドレン配管も、この小口径配管だ
ポンプであれば当然振動もある。この小口径配管のサポートをしっかり取っていなければ、振動で折れることもある
小口径配管というのは、ネジ接続が多く使われる。ネジは、強度的に弱いのだがコスト的に安いのでこのネジが使われる
ネジ接続は、長期間振動が加わるとネジ部が破損する事故事例が多い。こんな事故事例がある
ポンプのエアー抜き配管が振動で折れ油が噴き出した小口径配管の事故だ
https://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200032.html
小口径配管は、口径にかかわらずきちんと配管サポートを取るべきなのにサポートはしっかり取られていない
結果として、長期間の振動でネジ部が外れたり折れたりして液の漏洩により事故が繰り返し起こっている
配管サポートは口径の大小にかかわらず必要だ
たかがサポートと思わないで欲しい エアー抜き弁だけではなく、ドレン弁の振動で配管折損事故も多い
ポンプや圧縮機などは目には見えなくても機械は微妙に振動している
振動が繰り返せば一番弱いところが壊れる
たいていはネジで接続した部分だ ネジは折れやすいからだ
振動だけでは無く、腐食事故もある
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000028.html
一度自分のプラントを「小口径配管」という切り口で点検して欲しい。特にネジ接続であるところは早急に補強して欲しい
ネジ部周りをシール溶接して強度を増すことだ
小口径配管を甘く見ないで欲しい。長期間振動がつずけば、堅い金属は必ず破損する
振動のある小口径配管の対策を行って欲しい

 

2025年08月25日