化学工場のガス漏れ事故の調査報告書を企業が公開
8月初旬九州の大牟田で起きた化学工場の塩素ガス漏れに関する企業の調査報告書が公開されていた
https://jp.mitsuichemicals.com/content/dam/mitsuichemicals/sites/mci/documents/release/2025/250903_1_2.pdf
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20250903/5010029744.html
https://www.youtube.com/watch?v=TDhW6jtSFFo
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E7%A6%8F%E5%B2%A1-%E5%A4%A7%E7%89%9F%E7%94%B0%E3%81%AE%E3%82%AC%E3%82%B9%E6%BC%8F%E3%82%8C%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%AF-%E9%85%8D%E7%AE%A1%E3%81%AE%E7%A9%B4-%E4%B8%89%E4%BA%95%E5%8C%96%E5%AD%A6%E3%81%8C%E4%BA%8B%E6%95%85%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8/ar-AA1LMfi4?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=68b8d8f38bc845febbd75db6728f8928&ei=9
この事故は、塩素が漏れて工場の外にガスが流れて、住民被害が多数出た事故だ。通報遅れが問題となった事故でもある。
調査報告書は、概要が書かれているだけなので細かなところはわからないが、このようなことが書いてある
塩素ガスが流れているステンレスの配管があった。配管内のガスを冷却するため、外側に冷却水を流す2重配管だ
ジャケット配管のようなものだ。配管が塩素で応力腐食割れを起こし、外側の冷却水がガス側に流れ込んだという
塩素ガスと水が混ざると塩酸になる。漏れた下流側の配管は、ステンレスではなく鉄製配管だった
鉄は塩酸に弱いので、時間が経つにつれ穴が開きそこから塩素ガスが漏れてしまったのだ--報告書にイラスト有り
通報遅れの部分は、かなり簡略化して書かれているので、記者会見上布などで補足するとこうだろう
消防へ連絡するのは、事故プラントの責任者ではない。休日、夜間は当直者と呼ばれる人から、消防などへ連絡するようになっている
当直者と、事故プラント側との連絡がうまくいかず、当直者から消防へすぐに連絡が行かなかったとしている
ガス漏れを検知すると自動的に当直者に連絡するシステムはあった。しかし、製造側が手動にして警報が鳴らないようにしていた
製造は、警報は誤報と思い、自動にしておらず手動だった。結果として、当直者にはすぐにガス漏れ警報は届かなかった
通報用マニュアルも、行政への通報の判断基準があいまいだった書き方をしている。今後マニュアルは改訂するという。
この事故のポイントは、平日の昼間ではなく日曜日の夕方だということだ
休日で、工場には安全の専門担当者はいない。代理者として、当直者がいるのだが、安全のプロではない
工場の管理職クラスではあろうが、消防などに通報などはしたことが無い人達だ。事故プラントとのやりとりで精一杯だったのだろう
それが結果として通報遅れにつながったのだろう。休日夜間の事故通報について考えさせられる事故事例だ
もう少し詳細な対策資料を出してくれれば、他社さんにも役に立つのだろうが残念だ。とはいえ情報を公開してくれただけでもありがたい
8/4の私のブログにも通報遅れの現状について書いてあるので参考にされたい
